論理障害コース
本トレーニングは、Windowsの基本ファイルシステムの構造や、データ復旧技術の基本となるイメージ取得や、データ領域を修正するバイナリエディタの使用方法を学習することによって正しい知識と正確な判断、確実な作業でHDDやUSBメモリーからのデータ復旧技術を習得することを目的としています。トレーニング修了後、論理障害はもちろんのこと正確な診断内容から軽度な物理障害の対応まで可能になります。
- STEP 1正しい知識と正確な診断方法について
- データ復旧は業務の特性上、初期診断および初期の対応が一番重要であり、初期対応によっては復旧が可能な症状も復旧が不可能な状態になることがあります。お客様からの申告内容とハードディスクの通電による異音、発生する障害内容を見極め、障害原因の特定、交換が必要なパーツの選定、所要日数などを算出します。
- STEP 2ファイルシステムの分析と修復
- データ復旧の基本、安全なイメージング技術を習得します。正確なイメージングを行うことで障害メディアの状態保護とセクター不良の確認ができます。イメージ取得を確実に行えば、障害メディアの状態を悪化させることなく、何度でも復旧作業を行うことができますので、データ復旧作業の中では基本的かつ、一番重要な技術となります。
- STEP 3バイナリエディタの使用方法
- データ復旧ソフトウェアを利用して復旧した場合、破損データばかりで正常に復旧できない経験はありませんか?バイナリエディターでコード値を確認・修正できるようになれば、このような場合も手動でデータを復旧できる可能性があります。ソフトウェアでは何故復旧できないのか、ファイルシステムの基本原理と修正方法を習得することで、論理障害の復旧率は格段に向上します。
習得スキルファイルシステムの分析と修復
- パーティション情報の構成理解と損傷時の復旧
- ブート情報の構成理解と損傷時の復旧
- FAT情報の構成理解と損傷時の復旧
- ルートディレクトリ情報の構成理解と損傷時の復旧
物理障害コース
本トレーニングは、データ復旧技術の中でもハードディスクの物理障害の対応に必要不可欠な技術となる障害原因の診断方法と損傷パーツのヘッド、モーター、PCBなどを交換・修理する技術を習得することを目的としています。トレーニング修了後、カチカチと異音がする、電源が入らない、基板のショートなど、重度物理障害に対する復旧作業が可能となります。
- STEP 1ハードディスクのヘッド交換方法
- ハードディスクからカチカチと異音がして、認識されない場合や、突然のシャットダウン等によるスティクション障害など、ヘッド不良・ヘッド障害の復旧方法を習得します。各メーカー毎のヘッドの基本情報や、ヘッド交換を実施する場合のヘッドの互換性の確認方法など、ヘッドに関する知識・情報も学びます。
- STEP 2ハードディスのモーター交換方法
- Toshiba 2.5インチ、Seagate 3.5インチなど、モーター不良の発生率が高い一部のモデルに対する説明と、落下、衝撃等によるモーターロック時の復旧方法を習得します。通常モーター自体を交換はできませんので、ヘッド、プラッターを取り外した後、移植する方法となり、ヘッド交換の技術に加え、プラッター移植の技術が必要となります。
- STEP 3ハードディスクの基板交換方法
- 電源が入らない、基板が焼けた等、基板トラブルが意外と多く発生します。最近のハードディスクの基板にはドライブ情報が保存されているため、基板だけ交換してもハードディスクは認識できません。交換できる基板の互換性や、交換後に必要なROM情報の修正や書き換えなどを習得します。
習得スキルハードディスクの物理障害復旧
- カチカチ異音、認識しないハードディスクの復旧
- 電源が入らない基板交換の復旧
- 落下や衝撃によるモーター不良HDDの復旧
RAIDサーバー障害コース
RAIDサーバー障害復旧コースは、論理障害、物理障害に対応できる技術と経験を保有する企業、エンジニアに対して行われるトレーニングです。ハードディスクを複数台用いた難易度の高いRAID構成のサーバー・NASからデータ領域を正確に分析することで、RAIDのコンフィグ情報の損傷、起動不可、リビルド途中の障害などに対応できる正確な診断能力と復旧技術が習得できます。
- STEP 1RAIDサーバーの復旧技方法
- RAID0/1/5に対するRAID構成の基礎的な内容から、各種設定方法、論理領域の構成など、RAIDボリュームに関する内容を習得します。論理領域の分析も行いますので、バイナリエディターの使用方法や各種ファイルシステムの基本が必須となります。
- STEP 2NASの復旧方法
- 各種メーカーから販売されているNAS製品に対する復旧技術を習得します。各メーカ、モデル毎に異なるNASのデータ領域を分析し、パターンを見つけ出すことで、復旧時間の短縮を目指します。
- STEP 3メーカー別HDD復旧方法
- RAID構成のシステムが損傷する原因の一つは、ハードディスクの物理的な損傷です。物理障害を復旧しただけでは復旧できない場合の複合的な損傷が多く、補助的な講習内容となります。
習得スキルRAIDの分析方法
- 壊れた順番がわからないRAIDサーバの復旧
- リビルド中に故障したNASやサーバの復旧
- 各メーカーの特徴的な損傷HDDの復旧